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春日井市胃がん検診【胃カメラvs胃透視(バリウム)】中編

[2025.06.21]

春日井市/高蔵寺/神領/志段味/

のじり内科クリニック

みなさんこんにちは。のじり内科クリニック副院長の野尻優です。

今回は【春日井市胃がん検診 胃カメラvs胃透視(バリウム)】中編です。

 

前編は統計的な話を交え、胃がん検診は胃カメラで行った方がいいことをお伝えしました。⇒⇒前編はこちら

 

今回は検査方法の違いについて解説します。

 

胃透視(バリウム)の検査方法

①バリウムを200cc程度飲む

➁発泡剤を飲む+げっぷ我慢

③透視台で様々な向きで撮影

④下剤を飲んでバリウムを出す

胃透視の検査は医師 or 検査技師が行うことが可能。

 

胃カメラの検査方法

①咽頭+鼻の麻酔を行う

➁内視鏡を鼻 or 口から挿入する 

③空気で胃を膨らませて観察

④検査後、1時間飲食控える

胃カメラの検査は医師のみ行うことが可能。

 

検査方法による違い
  胃透視(バリウム) 胃カメラ
喉の苦しさ なし あり
麻酔の必要性 なし あり
検査後の注意 バリウム出たか確認 1時間絶飲食
放射線被ばく 多量 なし
腫瘍発見率 悪い 良い
検査する医療者 医師、放射線技師 医師

上記、表でまとめてみました。

 

特にこの中で

被曝するかどうか

喉が苦しいかどうか

放射線技師ができるかどうか

この3つは検査方法による大きな違いです。

 

 

胃透視の被ばく量について

まずは胃透視による被曝(人体が放射線に晒されること)について解説します。

一般的な知識として

Gy(グレイ):物質により吸収されたエネルギーで吸収線量といわれる。

Sv(シーベルト):等価線量と実効線量にわけられ、人体への影響の大きさを表す

他にも放射線量を表す単位はありますが、今回はSv(シーベルト)で考えてもらえるとわかりやすいと思います。

 

被曝には

『内部被曝』:体内に入った放射線物質による。DNA障害の原因となりやすい

『外部被曝』:体の外から浴びる。宇宙線、レントゲン・CT(医療被曝)など。

があります。

一般的には『内部被曝』の方が危険と言われていますが、医療被曝はほとんどが『外部被曝』です。

 

 

では、外部被曝だから気にしなくてもいいのでしょうか?

 

もちろんそんな事はありません。

チェルノブイリ原発事故や、福島原発事故のように外部被曝でも高線量被曝による急性症状が出ます。一般的に短期間に500mSv以上の放射線を浴びると急性症状が出ると言われています。

急性症状には白血球減少による免疫低下、吐き気、やけどなどがあり、放射線量の増加に伴い致死率も上がっていきます。

興味がある方は環境省のサイトにまとめてあるので読んでみてください。

 

ただし医療被曝で上記のような急性症状を起こすことはまずありません。

 

医療被曝で問題となるのは低線量被曝による晩発性症状です。

晩発性症状で1番の問題はみなさんが気にされている発がん性でしょう。

 

では、

どれぐらいの線量を浴びると発がん性が生まれるのでしょうか?

 

 

 

答えは

 

 

 

100mSvごとがん死亡リスクが0.5%ずつ上乗せされる

です。

 

このあとの話にも大事なので覚えておいてください。

 

 

放射線を使用する主な検査について

放射線を用いた検査にはいろいろな種類があるため一覧にしてみました。

(表)放射線の診断参考レベルと実際の被ばく量

検査の種類

診断参考レベル(日本放射線技師会ガイドライン)

実際の被ばく線量
胸部レントゲン 0.3mGy 0.1mSv
胃透視 100mGy 3mSv
CT

頭部;65mGy

腹部;25mGy

5-30mSv
透視(カテーテルなど) 25mGy/分 検査時間に依存
乳腺撮影 2mGy 0.3mSv
以下、参考情報    
東京~ニューヨークの飛行機   0.1mSv
年間の自然被ばく量   2.1mSv

 

(引用)放射線医学総合研究所より

 

比較してみていかかでしょうか?

CT1回分と変わらないなら、それほど心配しなくていいのはないか?と思うかもしれません。確かに線量だけを見れば胃透視とCTは人体への影響は同程度かもしれません。

 

しかし

 

CTは何らかの病気がある可能性が高いから行わなわれる検査であるのに対して胃透視(検診)は病気の可能性が低い人に行われる検査であるという前提条件の違いがあります。

胃透視であれば約30回で100mSvに達して発がんリスクが0.5%上昇してしまいます。

 

病気の可能性が低いのに毎回CTと同レベルの被曝をさせることの是非は考えなければいけません

 

喉が苦しいことについて

嚥下反射がつらいことは胃カメラを避ける最大の理由でしょう。

というより、それ以外に理由ってありますか?

 

検査の辛さを減らすために細い鼻から挿入できる内視鏡が開発され、最近になり画質が向上してきたため通常径の内視鏡と遜色ない画質で検査できるようになっています

そのために以前より検査は楽になっていますが、その細い内視鏡を使用してどんなに熟練した検査者が行ってもつらさはゼロにはなりません。

 

どうしても苦しくて検査できない場合には鎮静剤(眠り薬)を使用して眠った状態での検査が可能になっておりますのでお気軽にご相談ください。

当院の内視鏡検査について

 

検査者の違いについて

現在の医師法により、胃カメラは医師免許がないと検査ができません。それに対して胃透視は放射線技師も検査が可能であり、健診で多くの患者さんを検査するには病院側の都合がいいのです。

当院では胃カメラ・胃透視どちらも設備として可能ですが、

 

病院の都合<<患者さんのメリット

 

を考えて胃カメラでの検診を行うようにしております。

 

今回の中編では胃カメラと胃透視の違いを放射線被曝の観点含めてお話させていただきました。

まだ続きますので後編もお待ちください!!

 

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