消化器がん
消化器がん|春日井市/高蔵寺/神領/志段味/
のじり内科クリニック
がん(悪性新生物)について
主要な死因であるがん
がん(悪性新生物)は日本含めて世界的に主要な死因となっています。消化器がんは、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓など、消化器系の臓器に発生するがんの総称です。特に日本では死因の第1位が「がん」であり、全死亡者の約3割 ががんで亡くなるという統計があります。
いずれのがんも早期発見・早期治療が重要です。早期に発見・治療することで根治の可能性が高くなります。胃がんと大腸がん、子宮頸がん・乳がんはがん検診の項目にも入っているため必要検診はしっかり受け、また何か気になる症状がある場合は早めに医療機関に相談するようにしてください。
日本における死因の統計
厚生労働省の統計によると、主要な死因の内訳は次の通りです:
- がん(悪性新生物):約28~30%
- 心疾患(心臓病):約15%
- 老衰:約10~12%
- 脳血管疾患(脳卒中など):約8~10%
日本におけるがんの種類別死亡率
がんの中でも、死亡率が高い主な部位は以下の通りです:
- 肺がん
- 大腸がん
- 胃がん
- 膵臓がん
- 肝臓がん
日本国内で死亡率の上位5位までの内、消化器がんが2~4位までを占めています。がんの診断・治療については消化器内科での診療が重要であることがわかると思います。
大腸がんの原因と症状
大腸がんの原因
日本で死亡率2位が大腸がんになります。食生活の欧米化(高脂肪・高たんぱく・低繊維)により罹患率が上昇してきています。他に遺伝的な要因があったり、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患の既往がある人もriskが高くなります。喫煙や肥満も発生率を高くすると言われています。
多くの大腸がんが最初は小さい良性のポリープ(腺腫;adenoma)からスタートし、次第に大きくなり10mmを超えると癌化することが多くなります。
大腸がんの症状
早期の大腸がんは無症状のことが多く、進行すると以下の症状が現れます:
- 血便や便に血が混じる
- 排便習慣の変化(下痢や便秘)があり持続する
- 便が細くなる(便柱狭小化)
- 腫瘍による腸閉塞を来すと腹痛、腹部膨満感
- 体重減少、貧血(慢性的な出血が原因)
大腸がんの検査と診断
- 便潜血検査:便に血液が混ざっていないか調べる検査。スクリーニングに用います。
- 大腸内視鏡検査:大腸全体を直接観察し、がんやポリープを確認します。
- 生検:組織を採取し、病理検査で診断します。
- CT検査:がんの進行度や転移の有無を評価します。
症状が無い人が見つかる一般的な経過としては、①検診の便潜血が陽性となり精査 ②大腸カメラで組織検査を行い確定診断をつける ③CTなどの画像検査で進行度を確認して治療方針を決定するという順番だと思われます。
胃がんの原因と症状
胃がんの原因
日本で死亡率3位が胃がんになります。胃がんの最大のrisk要因は、みなさんお馴染みのピロリ菌です。ピロリ菌の長期感染により慢性胃炎(萎縮性胃炎)の状態から発がんしてきます。他には喫煙・飲酒、遺伝的要因や塩分の多い食生活も原因と言われています。
ピロリ菌の啓発が進んで除菌している人も多くなっているため、今後胃がんは減少していくものと考えられています。しかし、すでに感染してしまった人や萎縮が進んでしまっている人が未だ大勢みえるため、しばらくは死亡率の上位に位置するでしょう。
胃がんの症状
早期の胃がんは無症状のことが多く、進行すると以下の症状が現れます:
- 胃の不快感、痛み
- 食欲不振、体重減少
- 吐き気、嘔吐
- 胃もたれ、膨満感
- 吐血・黒色便(出血がある場合)
胃がんの検査と診断
- 内視鏡検査(胃カメラ):胃粘膜を直接観察し、がんの有無を確認します。
- バリウム検査:X線を用いて胃の形態異常を調べます。
- 生検:組織を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を確認します。
- CT・MRI検査:がんの進行度や転移の有無を調べます。
胃を観察する検査としては①胃カメラ②胃バリウムの2つがあります。直接観察できるのは胃カメラのみであり組織検査(生検)も胃カメラでしか出来ません。検診には胃バリウムも入っておりますが、見落とす可能性が高いことや、大腸憩室などがあると大腸炎を起こす可能性もあり当院では胃カメラを強くお勧めさせていただいております。
胃がん・大腸がんの治療
胃がんと大腸がんの治療は共通しており、早期発見であれば、まずは根治切除といって身体からがん細胞を全て取り除くことを目指して内視鏡治療や外科的治療(手術)を検討します。身体からがん細胞を取り除くことが難しいと判断されたら化学療法(抗がん剤)や放射線治療などがあります。しかし、現在の医療で化学療法や放射線治療ではがんの根治はほぼ望めません。そのため早期発見して治療を行うことが極めて重要になります。
胃がんや大腸がん検診を利用しながら、必要なタイミングで内視鏡検査を行うことにより早期発見が可能となり予後が大幅に上昇します。特に内視鏡治療で切除できた場合は手術前と何も変わらず生活を送ることが出来ます。後悔することないように検査などの相談していただきたいと思います。
がん、特に大腸がんや胃がんが気になるなと思ったら
前述しましたが、改めて言わせていただきます。がんの中でも、特に胃がん・大腸がんは早期発見が可能で早期治療行うことにより日常生活に早期に復帰可能です。胃がんに関してはピロリ菌検査をすればある程度リスクが予測できます。大腸がんに関しても40歳を目安に一度大腸カメラを行っておくとポリープが出来やすいかどうかある程度判断できます。その後はその人の状態で検査間隔を決めていけばよいと考えます。症状がある人はなるべく早めに一度検査されることをお勧めします。≫≫当院の内視鏡検査についてはこちら
当院は春日井市がん検診実施協力医療機関です。当院に定期通院している患者さんはもちろん、検診のみの受診でも大丈夫です。気軽にご相談いただければと思っております。≫≫春日井市がん検診についてはこちら