骨粗鬆症
骨粗鬆症|春日井市/高蔵寺/神領/志段味/のじり内科クリニック
骨粗鬆症について
骨粗鬆症は、骨量の減少と骨質の劣化により骨密度が低下する骨疾患です。骨密度が低下するとイメージ通り骨折のリスクが増大します。骨のカルシウム量は20代ごろに最も多くなり40代以降に減少していくため、骨密度の減少を確かめ、骨折を予防することが大切です。骨粗しょう症リスクの高い、やせ形の方、運動不足の方、閉経後の女性は定期的なチェックをおすすめします。
主に高齢者や閉経後の女性に多く見られますが、生活習慣や特定の疾患によって若い世代の人にも発生することがあるので注意しましょう。
骨粗鬆症の原因
主に一次性と二次性に区別されます。一次性に関しては骨密度低下を早く見つけ、生活習慣や投薬によって早期に介入することで進行を遅らせられます。放置しておけば起こったであろう骨折、それに伴うADL低下を防げる可能性が上がります。一度原因を確認して自分自身に当てはまるものはないか確認してください。
分類 | 原因 | 具体例 |
---|---|---|
一次性骨粗鬆症 | 加齢 | 年齢とともに骨吸収が増加し、骨形成が減少する。 |
女性ホルモンの減少 | 閉経後のエストロゲン低下により、骨代謝バランスが崩れる。 | |
栄養不足 | カルシウムやビタミンD不足が骨密度低下につながる。 | |
二次性骨粗鬆症 | 薬剤の影響 | ステロイド薬、抗てんかん薬、抗凝固薬(ヘパリンなど)の長期使用。 |
基礎疾患 | 糖尿病、甲状腺機能亢進症、慢性腎疾患、消化器系疾患(栄養吸収障害など)。 | |
ホルモン異常 | 副甲状腺機能亢進症、クッシング症候群。 | |
生活習慣 | 喫煙、過度の飲酒、運動不足。 | |
その他の要因 | 遺伝的素因 | 家族歴に骨粗鬆症がある場合、発症リスクが高まる。 |
低体重 | 体重が軽いと骨量が少なくなりやすい。 |
骨粗鬆症の検査と診断
骨粗鬆症のスクリーニング検査
骨密度測定の方法は2つあります。この他に以下のような検査があります。一番正確なのはDXA法ですが、超音波法より時間と費用がかかります。これらの骨密度検査の他、血液検査や尿検査を組み合わせることで二次性骨粗鬆症の有無を確認したり、病態に応じた治療計画立てられることになります。
- DXA法(デキサ法);X線を利用して骨密度を測定。腰椎や大腿骨が対象部位。正確性は1番高い。最も一般的で精度が高い方法。WHOの基準でTスコアが -2.5以下の場合、骨粗鬆症と診断。
- 超音波骨密度測定;かかとなどに超音波を当てて骨密度を測定。手軽で放射線被ばくがないが、精度はDXA法より劣る。
検査結果の基準値
(Tスコア);Tスコアは、骨密度が最も高いと言われる20~44歳の若年成人平均(YAM)に対してどれぐらいの低下があるかの指標です。Tスコア -2.5以下となると骨粗鬆症の診断になります。
Tスコア | 評価 |
---|---|
-1.0以上 | 正常 |
-1.0~-2.5未満 | 骨量減少(骨粗鬆症予備軍) |
-2.5以下 | 骨粗鬆症 |
-2.5以下+骨折 | 重症骨粗鬆症 |
骨粗鬆症の治療
1. 食事・運動療法
骨を健康に保つための栄養素を十分に摂取することが重要です。カルシウム(乳製品、小魚、豆類)・タンパク質(肉や魚類、卵、豆類)、ビタミンD(魚、卵、日光浴)、ビタミンK(緑黄色野菜、納豆)を意識してとるようにしましょう。日光を浴びないとビタミンDは生成されずらい事も覚えておく必要があります。
2. 薬物療法
薬物療法は骨密度の低下を抑え、骨折リスクを軽減するための中心的な治療法です。いろいろな種類の薬がありますので表でまとめました。
薬剤の種類 | 作用機序 | 主な薬剤例 | 特徴 |
---|---|---|---|
骨吸収抑制薬 | 骨吸収(骨を壊す過程)を抑制し、骨密度を増加させる。 | ビスホスホネート(アレンドロネート、リセドロネート) デノスマブ(抗RANKL抗体) |
最も一般的に使用される。 ビスホスホネートは服用方法(空腹時、服用後30分間は横にならない)が重要。 デノスマブは6か月ごとの皮下注射。 |
骨形成促進薬 | 骨形成を促進し、骨密度を増加させる。 | テリパラチド(副甲状腺ホルモン製剤) | 重症例や骨折リスクが高い場合に使用。2年間の治療期間制限あり。 |
エストロゲン関連薬 | エストロゲンの作用を補うことで骨密度を維持。 | SERM(ラロキシフェン)、エストロゲン補充療法 | 閉経後の女性に適応。ただし、乳がんや血栓症リスクがあるため、慎重に使用。 |
その他 | 骨代謝に関与するホルモンや補助的な作用を持つ薬剤。 | カルシトニン、ロモソズマブ(骨形成促進&吸収抑制) | ロモソズマブは新しい薬剤で、骨折リスクをさらに大幅に軽減することが期待される。 |
骨粗鬆症が気になったら気軽にご相談を
骨粗鬆症は無症状で進行し、初めての症状が骨折であることが多いです。特に、圧迫骨折や大腿頸部骨折は生活の質を著しくさせて健康寿命までも縮めてしまうことにつながります。これらの骨折が起こる前に骨粗鬆症を発見して適切な治療を受けることが重要です。
そのためには時々骨密度検査を行うことをお勧めします。そこで低値だった場合は定期的なfollowと必要な治療介入を行いましょう。閉経後の女性や家族歴がある方、カルシウムやビタミンDの摂取が不足している方、運動不足の方、過去にステロイド治療を受けた方など、骨粗鬆症のリスクが高い方は注意しておきましょう。
当院では生活習慣病から骨粗鬆症まで幅広い疾患に対応可能です。一度調べてみようと思ったり、骨粗鬆症のリスクに当てはまる項目が多い方は気軽に受診していただければと思います。