生活習慣病|春日井市/高蔵寺/神領/志段味/のじり内科クリニック
生活習慣病とは
生活習慣病は、食生活の乱れ、運動不足、喫煙、過度の飲酒、ストレスなど、生活習慣が深く関与する疾患の総称です。みなさんご存じの高血圧や糖尿病などが含まれます。
かつては「成人病」と呼ばれていましたが、子供でも該当する場合が増えてきたため1996年に当時の厚労省により「生活習慣病」という名称に変更となりました。大昔の食糧難であった時代には無縁であったと思われますが、生活習慣の変化、飽食の時代になり先進国を中心に肥満が増えてきました。1988年に生活習慣病の3大要素(高血圧、糖尿病、高コレステロール)が心血管病を引き起こす「シンドロームX」というものが提唱され、その翌年には3大要素+男性型肥満を加えたものを「死の四重奏」と命名されました。
それから1998年にWHO(世界保健機関)が「メタボリックシンドローム」と言う名称で診断基準を発表したことにより、「メタボ」という略語が一般的に知られるようになりました。現代ではメタボの方を早めに拾い上げるため「特定健康診査」(=いわゆるメタボ健診)が、40から75歳未満を対象に広く行われるようになっているという流れです。
「生活習慣病」と「健康寿命」
日本人の平均寿命は男性:81.09歳で3位、女性:87.26歳で2位となっています。しかし、健康的に生活できる「健康寿命」は男性で72.14歳、女性で74.79歳で、平均寿命との差は男性が-8.84歳、女性は-12.35歳です。これは多くの人が70代で何らかの健康を害する重大な病気となり自分だけでは生活できない状態になってしまうことを表しています。
そのため、平均寿命ではなく「健康寿命」を延ばすためにどうすればいいかを考えなければいけません。まず大事なことは生活習慣病の管理です。健診をしっかり受け、生活習慣病になったら早めに治療介入、生活習慣の改善を行う必要があります。
主な生活習慣病と特徴
以下、生活習慣病の主なものとなっています。上述しましたが、メタボリックシンドロームはこれらが複数組み合わさっており健康リスクが非常に高くなります。
疾患名 |
特徴 |
主なリスク要因 |
糖尿病 |
血糖値が慢性的に高い状態が続き、合併症(網膜症、腎症、神経障害など)を引き起こす。 |
不健康な食生活、肥満、運動不足、遺伝 |
高血圧 |
血圧が慢性的に高い状態で、心血管疾患や脳血管疾患のリスクを高める。 |
塩分過多、肥満、ストレス、遺伝 |
脂質異常症 |
血中のコレステロールや中性脂肪が異常値を示し、動脈硬化の原因となる。 |
高脂肪食、運動不足、肥満、遺伝 |
肥満 |
エネルギー摂取過多や運動不足により、脂肪が過剰に蓄積した状態。 |
高カロリー食、運動不足 |
メタボリックシンドローム |
内臓脂肪型肥満に高血圧、脂質異常、糖尿病のリスク要因が複数重なった状態。 |
不健康な生活習慣、肥満 |
動脈硬化 |
血管が硬化し、狭窄や閉塞を起こす。心筋梗塞や脳卒中の原因となる。 |
高血圧、脂質異常症、喫煙、高血糖 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD) |
喫煙などが原因で、気道が狭くなり呼吸困難を引き起こす。 |
喫煙、大気汚染、職業性粉塵 |
がん |
胃がん、肺がん、大腸がんなど、多くのがんは生活習慣と関係がある。 |
喫煙、飲酒、不適切な食生活、肥満、運動不足 |
原因となる生活習慣
次に、生活習慣病になってしまう生活習慣をまとめます。おそらく言われなくてもわかっている人が大多数だと思いますが改めて確認しましょう。いくつ当てはまっているでしょうか。複数当てはまっている人は早急に生活習慣を改善する必要があります。
生活習慣 |
健康への影響 |
不適切な食生活 |
高脂肪、高塩分、高糖質な食事が肥満や高血圧、脂質異常症の原因に。野菜不足はビタミンやミネラルの欠乏を引き起こす。 |
運動不足 |
筋力低下や基礎代謝の低下により、肥満や糖尿病、動脈硬化のリスクを高める。 |
喫煙 |
肺がん、COPD、動脈硬化のリスクを増大。血管収縮作用があり高血圧の原因にもなる。 |
過度の飲酒 |
肝疾患や高血圧、肥満、がんリスクを高める。 |
ストレス |
自律神経やホルモンバランスを乱し、高血圧や過食、睡眠障害などを引き起こす。 |
生活習慣病の予防
続いては生活習慣病の予防です。これらも言われなくてもわかっている人が大半だと思われます。みなさんのイメージで、身体にいいのはわかっているけどなかなか実践できないな・・・。そのことが生活習慣病の予防にはとても重要です。再度確認しておきましょう。
対策 |
具体的な内容 |
バランスの取れた食事 |
野菜や果物、魚、大豆製品を中心に摂取し、塩分や脂肪、糖質を控える。適量の食事でエネルギーバランスを保つ。 |
定期的な運動 |
週に150分以上の中強度の有酸素運動(ウォーキング、サイクリング)と筋力トレーニングを組み合わせる。 |
禁煙 |
喫煙者は早期の禁煙を目指し、必要であれば禁煙外来やサポートを利用する。 |
適度な飲酒 |
男性は1日20g(日本酒1合程度)、女性は10g以下に抑える。 |
ストレス管理 |
十分な睡眠、趣味やリラクゼーション、メンタルヘルスケアを重視する。 |
定期的な健康診断 |
早期発見・治療のために、血糖値、血圧、コレステロール値などを定期的に測定する。 |
特定健診の重要性
前述しましたが、「特定健康診査(特定健診)」はメタボリックシンドローム患者または予備軍を早く発見して治療することを目的とする健康診断のことで、「メタボ健診」とも言われます。40歳から75歳未満を対象に実施することが医療保険者に義務付けられています。
腹囲が規定値より大きい場合(男性≧85cm、女性≧90cm)または、BMI≧25の場合を基本に、血糖値、コレステロール値、血圧値の異常、喫煙歴の中から、いくつ該当するかによって、低、中、高リスクに分類されます。
高リスク者に対しては医師や保健師等によって3ヶ月以上の継続的な指導を行い、6ヶ月後にその成果を評価します。近年、生活習慣病の低年齢化も進んでいるので対象である40歳から75歳までの人だけではなく、40歳未満の人も健康状態をチェックするために年1回の健康診断を受けることをおすすめします。
当院は春日井市健診実施協力医療機関です。一般的な内科健診として春日井市特定健診・後期高齢者健診を受け付けています。
当院に定期通院している患者さんはもちろん、健診のみの受診でも大丈夫です。
1年に一度でいいので健診を行い、健康維持・健康増進に努めましょう。
**例年4月1日~12月31日までと期間指定があります。ご注意ください。
**75歳以上の人は特定健診から春日井市後期高齢者健診に代わります
≫≫春日井市特定健診・後期高齢者健診についてはこちら
生活習慣病を指摘されたら気軽に当院にご相談を
生活習慣病は多くの場合自分自身で予防可能です。生活習慣病でリスクが増大すると言われている癌も早期発見出来るものが多いです。しかし、中々自分1人では生活習慣の改善が難しいのが現実です。
当院では健診を通して、生活習慣病の早期発見と適切な治療、的確なアドバイスを行いみなさんの健康維持のお手伝いをさせていただきます。気軽に受診して相談していただければと思っております。